って、そんな感心してる場合じゃない。
助けないと。


斗真を囲む女の子の輪を
何とか潜り抜けて斗真の横へ来た。


「ちょっと!後ろから入ってきて
斗真君の隣に行くって何様なの!?」
「そうよ!どこの誰?」
「退きなさいよ!」


なんて罵声を浴びせられた。


ここに来るまでに
嫉妬でモヤモヤしていた私の心は
キャパオーバーだったらしい。


「…何様って彼女だけど?」


そう言い放った後、
私は斗真の服を引っ張って
キスをした。


「キャー――!!」


と言う、鼓膜が破れるんじゃないか
ってほどの悲鳴を浴びながら
しばらくキスし続けた。


唇を離し、そばにいた女の子を見れば
青ざめた顔をしていたり、
座り込んでいる子もいた。