とりあえずトイレがある方に向かう。


たくさんの女の子たちは
名前の書かれたうちわを持っている。
アイドルのコンサートかって。
思わずつっこみたくなるけど、
その中には斗真の名前も
何枚もあってモヤっとした。


私は斗真と付き合って
初めて”嫉妬”って感情を覚えた。


この感情はいらないよね。
だってどんどん自分が嫌な女に
なっちゃうんだもん。


斗真は私のモノなのにって思っちゃう。


そんな黒い感情を抱きながら
探すこと数分―――


見つけた…のはいいんだけど、
斗真は何人もの女の子に囲まれて
身動きが取れなくなっていた。


すっごいイライラしてるのが
顔に出てるのにも関わらず
めげない女の子たちに感心する。