「ここ荷物置いて。」


そこは部員しか入れない
ギャラリーの一番前。


「え、いいの?」


「2人は特別っすよ!」


多分2年生であろう男の子が
そう言った。


「何かニヤけるね。」


莉子とひそひそ話しながら
有り難くそこに置かせてもらった。


体が軽くなったところで
斗真を探すけど、見当たらない。


「ねぇ、颯人君、斗真は?」


「え?斗真ならさっきトイレ行ったけど…。
そう言えば戻ってきてないな。」


どこ行っちゃったんだろう?


「私ちょっと探してくるね。」


スペースの空いている
うちの高校の待機場所を抜け
また人混みの中へ私は向かった。