その日の夜、
お風呂から上がって寝る準備をしていると
携帯が鳴った。


画面には”結城斗真”の文字。
斗真からの電話に
なぜだか頬が緩んだ。


「もしもし、どうしたの?」


喜んでいることがばれない様に
冷静を装って電話に出た。


『ごめん、寝てたか?』


電話越しの斗真の声は
いつもより少し低く聞こえて
耳元で聞いているからか
なんだかドキッとした。


「ううん、まだ寝る前だよ。」


『そっか。よかった。
声、聞きたかったから。』


こんなセリフ
今まで嫌というほど
聞いてきたはずなのに
斗真に言われると、すごく特別に感じた。


「嬉しい。私も聞きたかった。」


『素直な美桜、可愛いな。』


また、胸が高鳴った。