「秋月君…。
さっきも言ったけど、それは違うよ。
辛いし、傷付いたと思う。
だけど、その怒りを斗真にぶつけるのは
何の解決にもならないよ。
その気持ちを乗り越えなきゃ。
もう…自分でも分かってるんじゃないの?
こんな事意味ないって…。」


美桜の言葉に秋月は
膝から崩れ落ちた。


「…悔しかったんだ。
すっごく大事にしてたつもりなのに
他に好きな人が出来たって言われて…。」


秋月は力なく立ち上がり
俺の前に来て


「…すみませんでした。」


深々頭を下げた。


「有栖先輩も、ごめんなさい。」


美桜にも頭を下げた。


そして立ち去ろうとする秋月を
美桜は引き留めた。


「秋月君!」