目に涙を溜めて
首を横に振る美桜にすごく
申し訳ない気持ちになった。


「な…ん、で」


俺の背後で苦しそうに
立ち上がった秋月。


俺は秋月の前に行き


「悪かった。」


頭を下げた。


「斗真…、なんで…。」


「お前の事情知らなかった。
中学の時の事は謝る。
でも、美桜には手を出さないでくれ。」


こいつも、傷付いたんだと思う。


もし、美桜が他の男を好きになれば
俺もその男を恨むかもしれないから。
そいつが悪くないって思ってても、
誰かのせいにしないと
どうしようもない気持ちになるんだと思う。


きっと、秋月もそんな気がする。


「何…謝ってんだよ。
僕の彼女を奪っておいて…。」