時が経つのは早くて、
寒くて凍えそうな冬を越し、
桜が咲く季節となった。


あのクリスマスから
斗真は感情が良く見えるようになった。


***


「美桜、寒いからもっとこっち来て。」


お昼休み、
教室でお弁当を食べ終わった後
斗真膝の上に座るように促された。


「え、どうしたの急に…。」


いきなりの発言に頭がついていかない。
寒さでおかしくなったのかな?


「いいから、早くこっち。」


半ば強引に引き寄せられ
あっという間に斗真の膝の上。


周りもそんな斗真に驚いていて
クラス中の視線は私達に集まった。


慌てる私に対して
斗真は何ともなかったかのように
私のお腹に手を回し、
軽く抱き着くと、頬を背中に当て
壁の方を向いた。