美桜Side


「ん…っ」


体に重みを感じて目が醒めた。


何とか開けた瞼の隙間から見えたのは
斗真のドアップ。
そして向き合う形で
私の体に絡ませた腕。
引き寄せられる体制で眠っていたみたい。


今、何時だろう…。
スマホを確認しようと
斗真の腕を離そうとした時、
右手の薬指に慣れない感覚を覚えた。


カーテンの隙間から差し込む
月明かりで少しだけ
それが何か見えた私は
慌てて電気を付けた。


「…指輪。」


シルバーでいくつか
石がちりばめられた可愛いやつ。
サイズはピッタリ。


まさかと思って
斗真の手を見てみると
同じデザインの石がないリングが
右手の薬指にしっかりと
ハマっていた。