美桜Side


今、腰を抜かした私は人気のない
校舎の廊下に座り込んでいる。


そして目の前には
満足げにニヤッと笑うイケメン1名。


斗真を妬かせると
とんでもない事になると分かった。
もう、絶対しない…。


「美ー桜ちゃん。
そろそろ文化祭回る?」


じゃないわ!
こんなにしたのは誰よ…。
斗真をキッと睨んでも全然効果なし。
むしろ楽しんでる。


相当なドS…。



***


それから十数分。
やっと立てるようになった頃には
斗真の機嫌も直っていて
いつもの優しい斗真だった。


「ほら、行くぞ。」


差しのべられた手に捕まって
立ち上がる。
そのまま腕を組む形で
中庭へ向かった。