小悪魔彼女×溺愛彼氏

「手…、なんで…。」


「手って、なにが?
これくらい普通でしょ?」


ギュッと結んだ口は
何かを言いかけて辞めた。


…すっげー言わせたい。
俺はまた客に目線を戻し


「可愛いね。」


そう呟いた。


その瞬間
パッと俺が握っていた
女の手が離れた。


「斗真のバカ!!
なんで私以外に可愛いって言うの?
手握るの?やだ!!」


うぅ…と声が漏れ
我慢していたであろう涙が流れた。



「お~い、実行委員。
俺休憩入るから。」


それだけ遠くから伝え
俺は美桜の手を引いて
人気のない校舎の4階までやってきた。