小悪魔彼女×溺愛彼氏

そんな俺たちの姿に
ただただ呆然とする2人。


まだ足りないか。


「手…綺麗だね。」


次に来た客の手をそっと持ち上げ
両手で握る。


目を合わせて微笑めば完了。


目の端に美桜を写せば
口を一文字にギュッと結び
少しだけ涙を溜めているように見えた。


俺、変態かも。
美桜のあの顔やばいな。


そんな美桜が
手を握ったままの俺に近づく。
莉子ちゃんは颯人の方へ行ったみたいだ。


美桜の存在に気付いてないフリを
しながら客の女と目を合わせ続ける。


「…と、うま。」


美桜の震えた声。


目線を美桜へ移せば今にも
泣き出しそうな顔。


…そそる。


「なに?」


だけど我慢してあえて
冷たくする。