ここまで来て
やっとこ冷静さを取り戻した私は
彼に質問を投げかけた。


「ねぇ、さっきのどういう意味…?」


「どういうってそのままの意味。
俺と付き合って?」


「なんで…」


頭をフル回転させても
理由なんて分からなくて、
そんな事をしている間に
私と彼の距離は段々と詰められていて、
気付けば壁に追いやられていた。


壁にトンッと手をつき
逃げ場をなくした私に向かって
衝撃の一言を放った。


「なんでって…、
美桜が好きだから。」


思いもよらない言葉に
びっくりして顔を上げると、
そこには彼のきれいな顔のドアップ。


柄にもなく顔に熱を帯びていくのが
自分でもわかった。