珠理ちゃんは私と似ている。


さっきの表情で確信した。
悔しがるあの顔。


あれが本当の珠理ちゃんだ。


天使とはかけ離れた性格。
計算高い、そう思った。


だからこそ、余計に負けたくなかった。



斗真をつれ私の家に行く。


「飲み物持ってくるから待ってて。」


部屋を出ようとすると斗真に
腕を掴まれて引き留められた。


「美桜、ごめん…。」


「とりあえず、何か持ってくるから
言い訳でも考えて待ってて。」


私は気付けばこんなことを口にしていた。


こんなに怒りを露わにしたのは初めてだった。



自分を落ち着かせるためにも
キッチンへ行き水を飲む。
大きく深呼吸をして
斗真にはお茶を入れて部屋へ戻る。