それから数十分後。
支度を終えた灯莉達は学校へ向かった。


キーンコーンカーンコーン
ありきたりな入学式も終え、新入生はそれぞれの教室へ向かいホームルーム始める。

担任の祝辞も終わり、恒例の自己紹介が始まる。
そして次々と自己紹介が終わり、灯莉の前の席の子が呼ばれる。


担任A 「次は、薬師丸さんお願いします」

ちとせ「はい。私は(薬師丸 ちとせ)です。中学生の時は生徒会長をしていました。そして今日、高校生になった私は中学生の頃よりも、学校の皆さんがより良い学生生活を送られるよう、誰にも負けない立派な生徒会長を目指します。」

おとなしそうに見える外見とは違い、大胆で正義感溢れるちとせの姿に周りは釘付けになった。
そして、教室中は拍手と歓声に包まれた。


灯莉「はわあわあわぁ…あかりの前の人凄い自己紹介だったよぉぉ…あかりはどんな自己紹介にしたらいいんだろう…」
「中学の時は普通な事しか言えなくて、あかりはモブA達と同じ扱いだった…」
「でも、今のあかりは主人公!ここはあかりの3年間と読者の為にインパクトを…!」

ちとせの自己紹介が終わると、次は灯莉が呼ばれた。
すると灯莉は素早く立ち上がり、 《バァン》ともの凄い勢いで机を叩いた。

のだが、ちとせの自己紹介の後もあり、灯莉への期待と視線が一方的に襲う。

灯莉「わ、わわ私の名前は(赤西 灯莉)でふ。」
「い、1年間よろしくお願いします…」


半泣き赤面のあかりはこうして3年間モブ生活が決まったのであった。


灯莉「あかりはモブじゃないよっ!泣」