『直人くん、一昨日綾瀬さんと一緒に居たってほんと?』 直人くんはその問いに答えなかった。 きっと教室の空気がいつもと違うことに気がついたのだろう。 直人くんが苦笑いしながらそこを通り抜けようとすると、さっきとは別の女の子が口を開いた。 『綾瀬さんって大人しそうな顔して親友の彼氏をとるような人だから、直人くんが騙されてないか心配なの』