「君は何をしていたんだい。」 そう問いかけるおじいちゃんは後にも先にも見たことのないようなすごく怖い顔をしていた。 その顔を見た瞬間、自分がしようとしていたことがなんて最低なことだったのかをひしひしと感じ、体中の血の気が引くのがわかった。 「あ、あの…手品の種が…わかるんじゃないかと、思って…ごめんなさい…」 どれだけ謝ろうとしても言い訳みたいなことしか言えなかった。 きっとその時の俺はひどく滑稽な顔をしていただろう。