学校が終わり家に帰っても、わたしの頭の中ではなんども『明日の11時、駅の前で待ってるね』という言葉が繰り返されていた。 どうかしていると自分でも思う。 高校に入ってからはこんな風になにかを楽しみにしたりすることは一度もなかった。 なにかを楽しみにしたり喜んだりして過去のつらい記憶が蘇ることが怖くて、そんな感情は捨てたはずだった。