考えていたのは元カレのことではなく、
久保田君のことで。

同じ会社の
宮島 優里奈(ミヤジマ ユリナ)には
まだ久保田君のことを
伝えていなかった。

『違う違う。
 あんな男のことは
 もうすっかり忘れました!
 ユリナ、それよりお昼、何食べる?』

話題を、そらす。

「ああ。お昼は私、
 彼と食べるから。
 ごめんっ」

『ハイハイ、わっかりました』