「わ…私が取りに行きますから!!流星さんは待ってて下さい!」
出て行こうとする流星の右腕を引っ張り、そう叫んだ。
「…あっそう」
「!」
少しの間の後、納得したのか流星の力が弱まった。
…良かった。
ホッとして、掴んでいた流星の右腕を離した。
「アパート下に、金髪の若い男がいる。何も話さず、着替えを受け取ったらすぐに戻って来い」
まるで、ミッションのように指示を出される。
「…はい」
そんな怖い顔をして言わなくても…
流星は眉間にシワを寄せ、真っ直ぐに目を見て指示を出してきた。
「じゃあ、頼む」
「…行ってきます」
玄関ドアの前に立つ流星の横を通り過ぎ、静かに玄関のドアを開けた。



