慌てて追いかけ、流星の右腕を掴んだ。
「…なんだよ?」
眉間にシワを寄せ、不機嫌そうな流星が顔だけを後ろに向けた。
「ま…まさか…まさかですけど……その格好で、外に行こうとしてます?」
てか、何で不機嫌そうなの?!
「だって、着る服ねぇじゃん」
「そうですけどっ!!」
うちには、男物の服はない!!
けどっ!
服がないからって、下半身にバスタオル一枚巻いただけで外に出て行こうとする!?
警察に見つかったら、捕まるわっ!!
「後輩のホストに、服を家から持って来るように頼んどいたんだよ。で、今、アパートの下まで来てるから取りに行くだけ」
悪いかよ?と言わんばかりの流星。
いやいや…アパート下に行くだけでもダメでしょ!?
てか、うちからバスタオル一枚巻いただけの若い男が出てきたって、近所の人達の噂になってしまったら、単身赴任中のお母さんに怒られる!!
それどころか、単身赴任の地に連れて行かれる!!



