道の端に落ちている封筒と、目の前で寝転がっている男性を交互に見る。
この人、ホストみたいだし…今月もNo.1って言ってたから、500万円を稼いでいてもおかしくないよね?
てか、ホストの知り合いないから、テレビ番組での知識しかないけどー…
きっとあの札束は、この男性のだ。
そう核心すると、道端に落ちたままになっている茶色封筒を取りに行った。
封筒を拾うと、お金では感じたことがない重みに驚きながらも、男性の元に戻った。
そして起こさないように、そーっと男性のスーツのジャケットの胸ポケットに札束が入っている封筒を入れた。
「…これだけのお金稼ぐのって、大変なんだろうな」
今まで感じたことがないお金の重みと、酔いつぶれてこんなとこで眠ってしまった男性の姿を見て、ふと言葉になって出てしまった。
「早く起きないと、500万円盗まれますよ?」
胸ポケットに入れた札束をぽんぽんと優しく叩きながら言うと、男性の元を離れた。



