「…って、寝てるじゃん」


顔を覗き込むと目を閉じ、寝息を立てているのが聞こえてきた。



寝転がっていた人は、黒いスーツを着た若い男の人だった。

白いYシャツのボタンは3段目まで外し、襟元の黒いネクタイは寝苦しかったのか緩んでいる。


見た目からして…


ホストクラブの人かな?


さっき、"今月も、俺がNo.1"って寝言で叫んでたし。



ここの商店街のアーケードを抜けた少し先に、ホストクラブやキャバクラの店舗が立ち並ぶ通りがあるから、多分そうだ。