ドクン…


「…」


「なんだよ?」


流星を見上げると、ちょうど月が流星のバックに綺麗に輝いている。


綺麗な人だとは思っているが、月の光にも負けないぐらい綺麗だ。


ドクン…

ドクン…


さっきとは違う緊張感を感じる。



流星から目が離せないでいるとー…



「…そんなに見んな」


流星の方から先に、顔を背けた。


「あ…すいません」


そんな流星の反応に、慌てて視線を下に向けた。

ドクン…ドクン…



やば、見惚れてたよ…私。



さすが、No.1ホスト…
てか、私ってホストにハマるタイプなのかな?


…将来が心配だ…



ピルルー…ピルルー…


「!」


静かな住宅街に、着信音が鳴り響く。


ピッ

「…はい」


流星がズボンのポケットからスマホを出すと、不機嫌そうに電話に出た。






「あぁ…はい、はい。すぐ行きます」


電話相手に対し溜め息をつきながら返事をし、すぐに電話を切った流星。



「じゃあ、俺行くから。さっさと、部屋に入れ」


しっしっと、犬を追い払うかのような動作で部屋に入るよう促される。


「…はい」



もう抵抗する気力もなく、渋々と流星に背を向け部屋に向かう。




もう、本当にこの人は何なんだろうか?