本当に何なの!??



「君、具合悪いの?」


「!」



住宅の塀の影に身を潜め、頭を抱えてしゃがみこんでいると、頭上から声がした。



「病院連れてってあげようか?」


声を掛けて来たのは、スーツを着た中年の男性。


「え?あ…いえ!大丈夫です」


慌てて立ち上がり、首を横に振った。

こんな所に座り込んでいたから、勘違いされてしまった。


「ありがとうございます。すいません…」

恥ずかしくなり、その場から立ち去ろうとしたがー…


ガシ…


「!」


「遠慮しなくていいから。連れてってあげるよ。病院に」


力強く、腕を掴まれた。


「っ…」

ゾワゾワ


腕を掴まれた瞬間に、全身に悪寒が走った。



「い…いいですっ」

恐怖から振り返ることもできず、腕を振り払おうとするが離れない。



「さぁ、行こうよ」

ゾワゾワ


さっきよりも声が近く、耳に息がかかった。




全身に悪寒が走り、頭の中は恐怖と気持ち悪さしか感じられない。



「っ…」


大声を出そうにも、声が出ない。




怖い、怖い、怖い。





気持ち悪い。






誰かー…





誰か助けて!!!