「っ…」
ビク。
流星は眉間にシワを寄せ、目は睨んでいる。
綺麗な顔の人がこんな表情をすると、カナリの迫力がある。
ドクンドクン…
怖い…
蛇に睨まれた蛙の状態になってしまう。
ドクンドクン…
お互い目を合わせたまま、数十秒経った時ー…
「…はぁ」
ビク!
溜め息をつきながら、流星の方が先に目を反らした。
何で…溜め息?
「さっき、ばばぁからクレーム言われた時、怖い思いしたんだろ?」
ばばぁからクレーム?
「だからもう夜も遅いし、家まで送ってやろうと思ったんだよ」
横を向いたまま、ぶっきらぼうに流星が言った。
ばばぁからのクレームというのは、今日あったレジでの出来事。でも、あれはー…
「…お礼を言うのが遅くなってすいません」
目の前にいる流星…さんが助けてくれたから、大きなクレームにならなかった。
「あの時は…助かりました。ありがとうございました」
深く頭を下げながら、そう伝えた。



