そして、私は彼、コウに出逢った。

コウに出逢って初めて泣いたのは『叫び』という曲だった。

誰にもどれだけ叫んでも、どれだけ助けを求めても届かないから叫びなんて無意味だ。と大声で歌うわけでもなく、悲し気に歌うわけでもなく、ただ話しかけるように静かに歌うその歌声に私は布団の中でイヤホンをしながら泣いて聴いていた。


~♪~~♪~


コウの歌には他の誰にもない現実味があった。

まるでコウ自身が体験したことばかりのような歌の世界に私は見事にハマり、抜け出す事を忘れて入り浸った。


動画がアップされているとベッドの上で転げ回って喜んだ。

苦痛を思い出した日は泣きながらその歌声に癒された。



「~泣かないでよ~と泣いた~♪」


音楽の凄さ、コウの歌声の力を感じながら、今日も私は眠りにつくのです。