「だよねだよね!撮った中でもこれすごいレアらしくってさ、カードで言うSSRみたいな感じなんだって。だからちょーっと高値だったんだけど、買っちゃった♪」
「は?」
にやにやしながら奈津は鞄から手帳を取り出すと、その中にちょーっと高値で購入したというスマホ画面に写る橘先輩と同じ写真を見せてくれた。
盗撮は盗撮でもスマホでしたわけじゃなく、ちゃんとそこそこいいカメラで撮っていたらしい。
金かけてるな。と思いながら写真を見ていると、奈津は嬉しそうに「2000円なんて安いもんよー」と言った言葉に私の開いた口はすぐには塞がらなかった。
はい?この写真が2000円?!
ちょ、ぼったくりじゃん!!
こんな奴の写真に2000円の値が付くとか有り得ねー!!
写真の橘孝太郎はこっちを見ながら笑みを見せてくるけれど、私にはその笑みを見てもトキメキなんて一ミリも埋まれなかった。
「で?橘先輩になんてナンパされたの?やぁかわい子ちゃーん、いつも僕のこと見てくれてサンキューでーす!そんな可愛いキミと今夜二人っきりでパーリーピー・・・」
「ストーップ!!先輩そんな言い方しないしそんなチャラくないから。普通に、君一年?名前教えて。みたいな」
「ふーん」
何が、君一年?だよ。
んなもん上履き見ればすぐわかるじゃん。
目悪いのかよ。と思った。
