振り向くと、名雄くんがスマホに入れていた曲を流して伏本先輩と聴いていたので、私は奈津を連れて名雄くんの傍に戻った。
「これって…」
「コウとチャットがコラボした新曲」
「いいな。先行配信」
「羽流はCD派なんだもんな」
「ううっ」
『春音』と書かれたタイトルに私は少し溢れてしまいそうな感情を堪えながら耳をすませた。
コウがチャットのメンバーと共に作った『春音』は、春音さんへのコウとメンバーの愛がこれでもかというほど込められていた。
きっと春音さんにも届いてるよ。高志さん。とふと空を見上げた時、さっきまで少し雲が泳いでいたはずの空はいつの間にか雲ひとつない青い青い空が広がっていた。
「まぶしっ…」
太陽の光にふいに目を閉じた時、唇に何かが一瞬触れた気がした。
目を開けると、やけに奈津と伏本先輩がにやにやしていて意味がわからなかった。
