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ー春
私はなんだかんだで2年生になれたにも関わらず、始業式には出ずに屋上に立っていた。
「春音さん…初めまして。白神羽流といいます…」
小さな花束を置いて、柵にもたれるように座り、話しかけたけれど、周りからしたらそれはただの独り言にすぎない。それでも私は見えない春音さんに話しかけた。
「もしもあなたが今もこの世界で生きていたなら…私はあなたと沢山の涙を分かち合えたかもしれないですね…」
だけどどんなに、かもしれない。や、もしかしたら。を並べても現実は何一つ変わらない。だから目を閉じて開いても春音さんはいない。
「わっ…」
突然吹いた風が小さな花束から沢山の花びらをさらって行ったその先に、私は光を見つけた。
「ここにいたのか。羽流」
「な~に~名雄先輩ってばサボリですか?」
「お前が言うなよ」
「あははは。あれ?どこから入ったんだろう?」
名雄先輩に続けとばかりに一匹の白猫がゆっくりと近づいてきた。
