「先輩は何お願いするんですか?」
「内緒」
そんな話しをしながら長い列を並び、自分たちの番が来た時、私は家族と奈津の健康と幸せを願いつつ、ちょっとだけ自分の事も付け加えた。
「何お願いしたの?」
「先輩こそ」
「俺は~今年こそ白神と付き合えますようにとか」
「え?神様に頼んだんですか?」
思わずクスッと笑ってしまった私に先輩は「頼んだっていうか味方に……」と言って少し驚いたように私の目を見た。
「もう…叶っちゃいましたね…」
ぎゅっと私から繋いだ手を花瀬先輩は離させまいとぎゅっと繋ぎ返しながらよそ見をしてもう一度私を見ると「白神、好きだよ」と混雑している屋台が並ぶ道の真ん中で私の耳に顔を近づけて囁いた。
「人が…いっぱい…見てますよ?」
「大丈夫。俺は白神しか見えてないから」
「そ、それ危険ですってば!」
「ははは」
「なあ白神、好き?」
「内緒」
たこ焼きのソースが口元に付いてることに気づかずに歩いてる先輩が好きだなんて言ったら先輩は顔を赤らめながら慌てて拭き取ってしまうんだろうな。
もう少し。もう少し黙っていようかな。
