明日キミに聴かせたい


別にお金が欲しかったわけじゃないけれどまぁ気晴らしに。そんな程度だった。だから、まさか彼女たちがいじめをしているなんて思いもせず、3人を神樹湖から駅まで送ってUターンして戻ると白神羽流はずぶ濡れでそこにいた。

いじめ……じゃないか……

彼女を車に乗せて駅まで送る最中も彼女の光を感じない目や姿に何度も春音を重ねてしまい、駅に着いた時、窓を開けて「ごめんな」と彼女に謝罪した。


その話しを翌日光希にしてから、しばらくして彼女が学校に来なくなったらしい。と光希から聞いた時、俺は、もしかして。なんて最悪な事を、考えちゃいけない事を考えて春音を重ねた。

その頃、ずっとただ春音にだけ届けばいいとアップしていた動画サイトに、白神羽流や苦しんでいる全ての人になにかしら届いてくれたら、最悪な事を考えずに立ち止まってくれたら、そんなことを願い、考えながら曲を作っていた。

自分の勝手な想いが誰にも届かないままだとしても、それでも俺は作ることを止めようとは思わなかった。