しばらく泣き続けて涙も出なくなったのを知ってか知らずか光希さんがドアをノックすることを忘れてガチャッとドアを開け、私と高志さんの間にあるテーブルに3人分の和風きのこパスタとお茶を置きながら「大丈夫?お腹空いたっしょ。食べて」とフォークを手渡しされた。
「うっま!さすが光希!!」
「サンキュー!羽流ちゃんはどう?」
手渡されたフォークにくるくるとパスタを巻きつけて口に運び、もぐもぐしている私に光希さんは問いかけた。
「お、おいひいです!」
まだ口の中に残ったまま答えたせいで私の言葉がちょっと変になってしまったことなど気にもせず「やった!」と嬉しそうに光希さんは高志さんと話しをしながらパスタをくるくるとフォークに巻きつけていた。
「ごちそうさま」
3人とも手を合わせながらぷくぅっと満たされたお腹に触れ、光希さんが食器をキッチンに運び始めた時、高志さんが私に問いかけた。
「羽流ちゃんは、夢ならいいのにって思う事ある?」
その問いに私が迷うことなく「はい」と答えると「そうだよね…」と少し切なそうに呟いた。
