「羽流ちゃん…」と昨夜光希さんの家を出てみんなでエレベーターに向かう時、光希さんに呼び止められた私が振り返ると、光希さんは「これ登録しといて」と小さく折られたメモを私に手渡して微笑んだ。

そのメモを私はなくさないように鞄に入れて、そのまま家に着いた頃には花瀬先輩に面と向かって告白された事で頭がいっぱいになって忘れていた。


「あ…あ!!」


あれから4日が過ぎた深夜、私は布団の中で相変わらずコウのアルバムを繰り返し聴いていた時、それまで忘れていた光希さんから手渡されたメモをふと思い出し、慌てて布団から出て鞄の中を探した。


「……あった!良かった~」


安堵しながらベッドに座り、ベッドに付けられた照明を付けてメモを開いた。


すると、そこにはメッセージアプリでの光希さんのIDが書かれてあった。


「登録よろしくね…」


書かれたメッセージを読んでカレンダーに目を向けると、既に4日も経っていることに申し訳なく思いながら私はすぐに登録をした。