ー自宅に来られても困ります。つか先輩私の自宅まで知ってるんですか?
ー知らないから加山さんに聞く!!
ーやめてください。
そんなやりとりをしながら私はふと部屋のカレンダーに目を向け、25日に丸された奈津とのライブに行く予定を思い出した。
しかし、まだ2週間ぐらいあるのか。と深刻さも感じないまま私は来る日も来る日も変わらぬ時間を過ごし、奈津とも他愛ないメッセージのやりとりをしていた。
まだまだ先、そう思っていた。
ーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
そう思っていたらなんかあっという間に日々が過ぎていたことに気づかされた。
奈津や花瀬先輩は気づけば期末テストも終業式も終えて冬休みを迎え、ランドセルを背負っていたはずの子供たちは気づけばテレビの向こうで家族と共にクリスマスのイルミネーションを楽しんでいた。
コンコン。とガチャッという音と共に奈津の声が聞こえた。
「羽流~ってええええ!!?」
奈津が驚きの声を上げても仕方ないな。と思った。
だって私は着替えることもしないまま部屋着で布団に丸まっていたのだから。
