「はい、今月あるチャットのライブに一緒に行かないかって誘われてて…」
「今月のって…25日の?」
「はい」
「そうなんだ!いや、俺もそれ行くよ!な……な~んだ偶然だね!!」
「そうなんですか!本当に偶然ですね」
この事も奈津は知ってるかな?いや、先輩がチャットを好きな事も知らない可能性が高そうなのにライブ行くなんて絶対知らなそうだな。
そうして私たちはしばし音楽の話をした後(ほとんど先輩のチャットに対する熱弁だった)、残さずキャラメルラテを二人飲み切り、先輩はコートを切るなり伝票片手にレジへと直行するものだから慌てて私もコートを来てCDが入った袋と鞄を手にレジへと向かった。
「ありがとうございました~」
だが、先輩はさっさと二人分のお会計を済ませて店を出ようとドアを開けて待ってくれていたので一緒に店を出た。
自分の分は払うと何度も言ったけれど先輩は「いいって。ほとんど俺が話してたし(笑)」と言って笑って「じゃあね」と軽く手を振って私に背を向けた。
