明日キミに聴かせたい


近づいてくるアルバムの発売日をカレンダーで確認しながら今日も部屋着から外出用の服装に着替えて私は部屋のドアを開けた。


「いってらっしゃい」

「すぐ帰ってくるかもだけどね(笑)」

「いってきます」と玄関のドアを閉めて踏み出した足はマンションの玄関口まですっかり慣れたようにいつもと同じ足の軽さになっていた。


時刻は11時を回った頃だけあって学生の姿はどこにも見当たらなかった。

目標にしているCDショップは駅前にあり、ここから徒歩で大体30分ほどの距離があった。

幸い学校の前を通らなくても行けるルートがいくつか存在しているため、私はそのうちのひとつを利用しようと一歩を踏み出した。


ぎゅっと握りしめた自分の手は微かに汗をかき、足はいつ歩みを止めてもおかしくないほど重くなりつつあり、目はきっと周りから見たら泳いでいただろう。

何度も街の声、人の歩く音、話し声に唇を噛みしめながら一歩一歩歩みを進め、10分で私はマンションへと引き返した。

なんだよ10分とかすぐじゃん。と思う人もいるかもしれない。私がこんなん状態じゃなければきっと同じことを思っていたに違いない。

でもいいんだ。
明日は今日よりまた長く、大きな一歩を。