「はぁ…」
「「羽流!大丈夫?」」
目が覚めるとそこには母と奈津の姿があった。
「あれ…私…なんで」
「びっくりしたんだから。部屋から奈津ちゃんが走ってくるなり羽流が倒れたって言うんだもの。身体なんともない?」
「うん、大丈夫。ごめんね、心配かけ……いてっ」
母はいきなりデコピンをしてきたかと思うと、少し怒り混じりに話した。
「バカちんが!心配なんていくらでもどんと来いよ!だから一人で抱え込むのはやめなさい。お母さんやお父さんに言えなくても羽流には奈津ちゃんがいるんだから。あと、彼氏も♪うふふ」
最後にそう言うと母は私のスマホ画面を私に見せてきた。
そこには花瀬先輩からのメッセージが表示されていた。
「え、ち、違うから!!」
「またまた~照れない照れない!お父さんには内緒でしょ。任せて♪ふふふ」
「だから違うから!!ちょ、お母さーーん」
母が鼻唄で上機嫌なまま私の部屋を出ると、奈津がすぐさま「ごめん」と言った。
どうやら私が倒れて寝ている間に花瀬先輩からメッセージが来て、すでに画面に表示されるようになっていたせいでそれをたまたま母が見てしまい、内容から勝手に花瀬先輩を彼氏だと勘違いしたみたいだと奈津は言いながら、花瀬先輩は羽流の彼氏じゃないと言ったけれど、それがますます怪しく思ったのかもしれないと自分のミスだと謝った。
その花瀬先輩からのメッセージが……
ー白神さん、今話せる?
これだ。これだけだ。
これに彼氏要素ってあるのでしょうか?と思った。
