『良かったじゃねぇか。
見ず知らずの誰かがお前の代わりに復讐してくれてるんだぜ。』

笑いながら黒ずくめの誰かが私の後ろで話していた。

振り返ると、真っ黒なフードで隠れた目元は真っ赤に光っていた。

誰?と聞いても答えは返ってこないまま話し続ける声はずっとにやついていた。


『そのうちお前と同じ目に遭わせてくれるかもな。良かったな。』

『お前もどこかで望んでたんだろう?何も変わらずのうのうと笑いながら学校に通ってるあいつらが自分と同じ目に遭えばいいってさぁ』

そんなこと望んでない…

『ああ、いい子ちゃんぶっちゃって~そんなのはなんの意味も持たないぜ。お嬢ちゃんよぉ。素直に認めろよ。許せないんだろう?本当は誰かがやってくれて喜んでるんだろう?』

ち、違う!違う。

『もっともっと酷い目に遭えばいいって思ってるんだろう?そうだよなぁ。自分だけこんなんじゃ憎いよなぁ。憎いよなぁ。』

やめてよ!違うって言ってるでしょ!!


ふっと風が吹いたかと思うと、耳元で誰かが囁いた。

『いっそのこと……って思ってるんだろう?イヒヒヒヒ』

その声に振り向くと真っ黒な衣装に赤く光る目元に身体が震えた。

見たことがある、どこかで見たことがある、そうこいつは……悪魔だと思った。