奈津に届いたその写真たちを見た時、私はすぐさま口を塞いだ。


「羽流、大丈夫?!」

「これ……あ、青木さ…ん…」

「え、」

それは確かに青木さんだった。
あの3人の中でリーダー的存在だった人で、私が初めてあの日挨拶しようと勇気を出して声をかけた女子生徒だった。

「じゃ、じゃあこれは…?」

奈津が一度私から自分のスマホを取り、何やらした後、私に写真を見せてくれた。

それは折り鶴が大量に入っていたという下駄箱の写真だった。

下駄箱には番号だけで名前は書かれていないのがうちの学校のやり方で、一見誰の下駄箱だかわからないようになっているが、そのクラスの子なら誰の下駄箱かわかるようにもなっていた。


「ここに折り鶴が…?」

「うん」

「この下駄箱は…赤山さ…んのだ…」


これもあの3人の中の1人の女子生徒の下駄箱だった。

ということは、この流れでいくと、机に人殺しと書かれた上にびちょびちょになった教科書が切り刻んで机の中に入れられてたっていうのはあと一人……


「黄本さ…ん…?」

「え、誰?」

「落書きされてた…」

「え、あの机に落書きされた子?」

「うん…」


そして……


「じゃあまさか…」

「……私を……いじ……めた3人……」


この嫌がらせに共通点があるとするなら、それは私をいじめた女子。それしか思い当たらなかった。