体育祭も終わり、そろそろ夏休みを迎えようとしている7月中旬。
太陽の光が教室の窓越しに伝わるように暑さが滲む。
昼休み。いつも通り風夏と一緒にお弁当を食べていた。
「今年の花火大会、莉奈も行くでしょ?」
この問いかけに答えるべく、口の中で噛んでいた食べ物を急いで飲み込んだ。
「行くかまだ確かじゃないけど、可能性として高いかも」
そういえばもう花火の季節か。
私の地域で行われる花火大会には、幼馴染の凌太と行っていた。
行くとしたら今年もいつも通り凌太とだな。
「前村君と?」
考えていたことを当てられ、私は普通に縦に頷く。
「莉奈はいいなぁ〜そんな仲いい幼馴染がいて」
風夏は箸を置き、顔を両手に乗せ、小顔ポーズをしながら羨ましそうにそう言う。
「そうかなー?あくまでも幼馴染だし、そんなキュンとするエピソードなんか一個もないよ」
「えー嘘でしょ?(笑) いいな〜私も彼氏が莉奈達といたらダブルデートできるのに!」
「だから付き合ってないってー!」
幼馴染がそんなにいいのかな?
私は凌太に恋してるわけでもないし、あっちも私のことを意識してるわけないから
友達よりも仲の良い存在とでも言うべきかな。