「一体どういうつもりですか!」
私は昼休みになった途端、職員室へ押しかけた。
全ては藤宮先生が原因であるからだ。
「何か用ですか?」
先生は、私を見もせずに机に向かって返事をした。
そして黙々と何かを書いている。
「体育大会の種目決め、どうして私に団対抗リレーやらせるんですか?」
1番疑問に思っていることを問いただす。
体力測定で50メートル走やった時も私の足が遅かったの知ってるはずなのに。
「里島さんは、今まで何かに真剣に取り組んで来たことありますか?」
先生はそう言うと、何かを書いていた手を止めて私の方を見る。
「は?なんの話ですか…」
「その様子だときっとないみたいですね?だったら丁度いい機会。無理難題に挑戦してみたら、新たに感じるものがあるかもしれないって事」
「だから、無理って分かってる挑戦をしたってみんなに迷惑かけるだけなんですよ!それを前提でやらせるなんて納得できません、リレーの選手を降ります」
そう言うと、先生はため息をついた。
「すぐに諦めるのは逃げてる証拠。あなたみたいに何事も中途半端にして、頑張るってことを知らない人にはうってつけの挑戦だと思いますね」
先生は真っ直ぐ私の目を見てそう言った。
うってつけ…?頑張ることを知らない…?
そこまで悪く言い放つ必要はないだろう。
入学してから色々困らせているから?だからってこんなできっこないことやらせる?
口を開けば馬鹿にして、イライラさせて。
"嫌い"
先生の顔を見ると、この言葉が頭の中でループしてくる。
「 …じゃあ、絶対見返しますよ」
「やってやりますよ、最後までやり切りますから!今に見ててください!!」
私はその言葉を言い残して職員室を出た。
あんな馬鹿にされて、黙っていることは出来なかった。
なんとしてでも頑張ってやる…