桜が咲き誇る4月。
私は、新品の新しい制服に身を包み、桜並木の道を歩いていた。
今日は高校の入学式。希望していた高校に入学し、晴れて一年生になる。
これからの学校生活に期待を膨らませながらも、やはり不安だ。
友達作りとか、勉強とか、
あとは…
「恋…」
私は一人歩きながらそう呟く。
今まで一度も恋愛を経験していない私にとって、恋という言葉の影響力は強かった。
「楽しい恋愛したいなぁ…彼氏ほし」
すると、一枚の花びらが私の制服の袖に舞い落ちてきた。
その花びらを手に取り、私は足を止めて一本の桜の木を見上げる。
桜の木が優しく揺れた。まるで私に"頑張れ"と応援してくれているように。