しかし、一つ問題が。
想定してなかった…と言えば、嘘になるけれど。
当然、大きなプロジェクトなんだから、うちから佐渡課長が出ることが何よりの証拠で…
マーケティング課からだって、当然上の人間が出るのであって…。
「マーケティング課、課長の安原です。よろしくお願いします。」
まさかここで、安原さんと顔を合わせることになるとはー!!!
実は、私は以前の企画開発課で安原さんの下で働いていた。
その時に、安原さんに…その…告白、をされたわけで………
「同じく、マーケティング課の安座間と申します。よろしくお願いします。」
その時に偶然再会したのが、高校時代付き合っていた琉偉で。
あのまま琉偉に出会っていなかったら、私は安原さんとどうなっていたんだろう…なんて、思うこともあったけれど。
今なら、断言できる。
誰と付き合ったとしても、きっとずっと、琉偉を忘れられずにいた。
出会うべくして出会ったんだって、今なら胸を張って言える。
「…おい、倉科?」
「あ、はいっ…」
「自己紹介!次はお前だろう。」
佐渡課長に突っ込まれ、ハッと我にかえる。
「す、すみません。デザイン科の倉科です。よろしくお願いします…」
チラッと琉偉を見ると、クスクスと笑っていた。
うう…なんたる失態……!!

