ハツコイ 2


しかし、一つ問題が。





想定してなかった…と言えば、嘘になるけれど。





当然、大きなプロジェクトなんだから、うちから佐渡課長が出ることが何よりの証拠で…





マーケティング課からだって、当然上の人間が出るのであって…。





「マーケティング課、課長の安原です。よろしくお願いします。」




まさかここで、安原さんと顔を合わせることになるとはー!!!






実は、私は以前の企画開発課で安原さんの下で働いていた。





その時に、安原さんに…その…告白、をされたわけで………





「同じく、マーケティング課の安座間と申します。よろしくお願いします。」





その時に偶然再会したのが、高校時代付き合っていた琉偉で。





あのまま琉偉に出会っていなかったら、私は安原さんとどうなっていたんだろう…なんて、思うこともあったけれど。





今なら、断言できる。





誰と付き合ったとしても、きっとずっと、琉偉を忘れられずにいた。





出会うべくして出会ったんだって、今なら胸を張って言える。





「…おい、倉科?」




「あ、はいっ…」





「自己紹介!次はお前だろう。」





佐渡課長に突っ込まれ、ハッと我にかえる。




「す、すみません。デザイン科の倉科です。よろしくお願いします…」




チラッと琉偉を見ると、クスクスと笑っていた。




うう…なんたる失態……!!