秘密。

「はー!あっつ!紬、シャワーのお湯暑すぎない!?」

電話を切るのと同じタイミングで大志が戻って来た。
「あれくらいがちょうどいいの!」
ただでさえ年下なのに、弱いところを見せたくない。
大志の前では大人っぽくいたい。
大人っぽさを履き違えたわたしは、先程の母からの電話のことを伏せいつも通りに振る舞った。

この日もいつも通りウイスキーを空にして、大志の腕に包まれながら深い眠りについた。

翌日、二日酔いの頭を抱えながら大志の行きたがっていた寸又峡へ向かった。