「あたしも知らないの、
ごめんなさい役に立てなくて」

「そう、それなら良いの、
ごめんね変な事聞いて」

「いいえ良いんですよ」

「さあ上がって」

「おじゃまします」

そう言って絵梨花の家に上がると、
そのまま二階の絵梨花の部屋へと向かう二人。

「絵梨花来たわよ、どう調子は」

そう言いつつ楓が部屋へと入りベッドに腰掛け、
美咲もそれに続くように使い古してねんきの入ったビーズクッションに腰を下ろす、
しかし部屋へと入った途端、
二人の表情は険しいものへと変貌していった。

「一体いつまで休んでるつもり?
いい加減学校に来なさいよ、
遊び相手がいなくてつまんないじゃない」

そう言い放った楓の声に応える絵梨花。

「学校に行ったら、
どうせあんた達またあたしの事いじめるんでしょ?」

「決まってるじゃない、
絵梨花はあたし達の遊び道具なんだから」

「道具ね、とうとうあたしは人ではなく物になりさがってしまったのね」

「当たり前じゃない、
あんたはあたし達のおもちゃなんだから、
おもちゃが無くなったらつまらないでしょ?」

美咲がそう言い放つと、それに楓も続く。