ところが本間が相沢家を後にすると、
絵理はすぐさま裏の顔をのぞかせた。

本間が相沢家を後にするとともに徐々に怒りが込み上げて来た絵理は、
二階へと駆け上がり絵梨花の部屋へと飛び込んでいった。

「あんた何してくれちゃってんのよ、
本間に家庭訪問されるなんて、
ようやく休日にゆっくりできると思ったのに、
せっかくの休みが台無しじゃない!
あんたがいじめていた子が自殺したって?
形だけでも謝りにいかなければいけないでしょ、
その時責められるのはあたしなのよ、
なんて言って謝ったらいいか分からないじゃない!」

そう言いながら絵梨花の事を何度もたたきながら攻め立てる絵理。

「ごめんなさいママ、
もう許して、お願いママ」

それでも殴る蹴るを繰り返し、
それはいずれも人にばれないよう他人から見える顔などは避けて行われていた。

「今度はあんたがいじめにあってるって?   
そんなの自業自得じゃない、
あんたが悪いんでしょ、
良い? 明日からちゃんと学校に行くのよ、
世間体ってもんがあるの分かる?
あんたがいつまでも休んでるとあたしが近所に顔向けできないじゃない」

「分かりました、
行きますからもうやめて下さい、
お願いします!」