「美咲が言ったの、それとも楓?」

「誰とは言わない、
それでどうなんだ、
絵梨花が主導でいじめを行っていたと聞いたがほんとなのか?
みんなに強要していじめをさせていたそうじゃないか」

この時お茶を運んできた絵理がドアの外でこの話を聞いており、
いきなり飛び込んできた。

「いい加減な事言わないで下さい先生、
うちの子が人様の家の子をいじめる訳ないじゃないですか!」

あぁ変なとこ聞かれてしまった、
だからこんな面倒な事嫌だったんだ……

本間は深いため息をつきながら後悔する。

「ですがお母さん、
クラスメイトからの報告も聞いていますので」

「それがどうしたと言うんです、
その子が嘘をついているかもしれないじゃないですか、
そもそも一体どこの誰なんです、
そんな事を言ったのは」

「申し訳ありません、
氏名はあかせないんですよ」

「だったらほんとにそんな報告があったなんて信じられないですね」

そんなところへ絵梨花の声が飛んできたが、
その声は重く沈んでいた。