「お仕置きねぇ、
ほんとにそうなのか?
ただ単にお前らはストレスのはけ口になる次のターゲットがほしかっただけじゃないのか? それにほんとに反省してたらこんな事出来ないはずだろ、
お前ら友達だったんだろ、
良くそんな友達をいじめのターゲットに出来るよな」

「あーあ、なんかしらけちゃった、
もうやめた、今日はこの辺にしておいてあげる」

美咲のその声を聞いた晴樹は、
すかさず絵梨花のもとへ行き手を差し伸べた。

「しっかりしろ、大丈夫か絵梨花」

ところが絵梨花はその手をはねのける。

「余計なお世話よ、
あんたに助けてもらわなくたってこんなのどうって事ないんだから」

しかし晴樹には、
この言葉が強がりから出た言葉だと言う事など分かっていた。

「何言ってるんだ、強がらなくて良いんだ」

「強がりなんかじゃないわ、
良いからあたしにかかわらないでよ!」

絵梨花はそんな言葉を吐きつつゆっくりと立ちあがると、
何事もなかったかのようにその場を立ち去って行った。

その後も他の女子達はいじめをやめたものの、
美咲と楓の二人だけは絵梨花へのいじめを続けていた。