「良い? もしあんたが学校に来なかったら、
いじめの犯人はあんただって本間にチクるからね、
だからちゃんと来なさいよ、
加奈を殺した犯人はあんたなんだから……」

「そんな事言ったってあんた達だって同罪じゃない、
あたしと一緒に加奈をいじめていたでしょ!」

「あたし達は良いのよ、
本間だってまさか告げ口した本人が、
いじめの当事者だとは思わないでしょ!」

そんな楓の言葉に美咲も続いた。

「そうそう、
もし気付かれてもあんたに命令されてやった事だって言えばいいんだしね、
事実なんだから」

「じゃああたし達そろそろ帰るから、
明日からちゃんと来るのよ、
たっぷりいたぶってあげるから」

そう言い放った楓は、
美咲と共に部屋を後にした。

「おばさん、おじゃましましたぁ」

再び明るく声をかけると、
それに応える絵理。

「えっ、もう帰っちゃうの?
さっき来たばかりじゃない、
今飲み物用意していたのよ」

「すみませんお気遣いして頂いたのに、
でももう終わったので……」

「そう? じゃあ気を付けて帰ってね」

「はい、では失礼します」