俺は、母親に『遅くなる』とだけ言って
理由は言わずに電話を切った
心配されるのは、分かっていたけど
どうしてもわけだけは言いたくなかった
特に、凪ちゃんの前では・・・

俺は、凪ちゃんを送る時
彼女の心が悲鳴をあげている気がし、
帰り道の間、お互い何も喋らなかった
どの言葉をかけてあげればいいのか分からなかった
俺はこんなにも何も出来ないんだな・・・と思った

それから少したって、凪ちゃんの家に着いた
それから、静かに立ち去ろうとした時
凪ちゃんに
「お願い・・・一緒にいて・・・」
と震えた声で言われた
俺は、こんな凪ちゃんを置いて、帰ってはダメだと思った
だから、今日は彼女のそばにいることにした